趣味の腕時計を買いました。


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SEIKO PRESAGE SARX027。
前々から興味があった琺瑯ダイヤル(文字板のことね)の味わい深い1本です。
100年を経てもなお褪せない琺瑯ダイヤル。腕時計のダイヤルとしてはロマンが感じられる素材です。
琺瑯ダイヤルシリーズはなかなかの人気で、製作できる本数が少ないこともあって未だに市場には潤沢に出回っているとはいえない状況なのですが、焦らなければ普通に量販店でも買えます。
コンデジのフラッシュを焚いてしまったので、写真では文字板の質感が感じられませんが、実物は大変味わい深い表情を見せてくれます。
均質な工業製品には似つかわしくないよい意味でのムラがあります。焼ものの陶磁器にある景色と同じ世界がそこに現れています。琺瑯なので実際に焼きものなわけですが・・・
この琺瑯ダイヤルは、日本一の琺瑯職人、横澤満氏が製造しているものです。品質基準をクリアできる琺瑯ダイヤルは一日に10枚前後しか作れないとか。
この琺瑯ダイヤルに刻まれる独特なインデックス数字は、渡辺力氏のデザイン思想が刻み込まれています。
そして1から12までの数字が欠けることなくすべて印字されているのです。これがSARX027の優れたデザインのポイントでしょう。
シンプルの極みのような時計ですが、ずっと眺めていても飽きることがありません。
それは京都の枯山水のお庭を延々と眺めているかのような心境です。


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シースルーバックから見えるムーブメントは6R15。けっして高級機械ではありません。
仕上げを含めてわざわざ見せる機械ではないと思います。私はそれでもこのムーブメントを見ているのは好きですし、6ビートの味わい深い秒針の動きを追うのもいいものです。
実用精度も十分で、セイコーの量産型ムーブメントですから長い目でみてもメンテナンスの心配もいりませんし、ある意味では文字板とあわせて100年時計といえるかもしれません。

私はこれまでの腕時計遍歴を経て、多針の腕時計を避けるようになりました。なんか苦手なんです。
欲しいと思うものはシンプルな表情の3針時計ばかりです。
この時計はあこがれて買うようなブランド時計ではありませんが、うんちくも十分だし、愛着も感じられる1本です。興味がある方は手にいれて後悔はないと思います。

ところでこのPRESAGEというシリーズ。個人やショップを問わずほとんどのサイトで「プレサージュ」と書かれています。
私もつい先日までそう思ってましたが、ふとセイコーウォッチPRESAGEのHPを見てみたら、「プレージュ」だったんだということに気づきました。
気になってGoogle先生にしゃべらせてみたら、「プレゼイジ」っていう感じに聞こえます。
まあなんにしてもプレサージュじゃないんですわ。
商品名として「プレザージュ」が正しいなんて気づいてる人、ほとんどいないのでは?