結局のところ、Softone Model8-300Bの音質はどうなのかというと。


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もうね、これはすげぇなという感想に尽きます。こんなに厚い(熱い)音はほとんど経験したことがありません。本格オーディオから何10年も遠ざかっていますし、真空管アンプの造詣が深くない私にはただただ素晴らしいというしかない音です。
私だけでなく、技術的なことはさっぱりわからない奥さんがこのアンプの音に感心していました。
平成生まれの娘なんか、このアンプを見て「理科の実験装置みたい」といっていました。予備知識や先入観がないということはそういうことなんだろうなぁ。でもこのアンプが奏でる音には「いいと思う」という感想でした。
昭和レトロとか感傷に浸るとかそういう懐古的な良さだけでなく、物性やスペックだけでは計り知れない音楽的な何かが真空管アンプにあることは間違いないのでしょう。


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うちのオーディオセットはこの数年、中華アンプにスマホ or DAPの直挿しという状態でした。
この中華アンプ=Dクラスアンプというやつがこれまた侮れない存在で、古い常識からしたらやってられないほどに素晴らしい音を出すのです。
ほとんどが1万円以下という値段で入手できるのですから、大変な事態です。
こうなると国産の老舗メーカーや欧米ブランドのコンポーネンツに大金を投じる意味はないと思って、お気軽に買える中華オーディオを揃えて満足していました。
それでも心のどこかでそれらとは違うベクトルの管球アンプが欲しいという気持ちが沸々と高まってしまうわけです。
効率が素晴らしく省エネで無駄のないD級アンプと、常に電流垂れ流しで効率もへったくれもなくオーディオ的には理想動作のA級アンプ。
理屈だけならD級アンプが素晴らしいのでしょう。でも無駄な電気使いたい放題なA級アンプには今も昔も理屈ではない何かがそこにあると思うのです。それが更に真空管アンプともなると、もう発熱しまくりで非エコで球は高価な上にバラツキも大きくて無駄の塊みたいな感じ。
例えは変ですが、現代の小排気量ターボエンジンと、大排気量多気筒エンジンの違いに似ているかもしれません。
同じ300Bシングルアンプでも、中華メーカーの製品には魅力的な仕様で何とか手を出せそうな価格の管球アンプがありますし、国産の管球アンプキットを自分で組み立てるという選択もあります。
贅の限りを尽くしたガレージメーカーのハイエンド管球アンプにいってしまうというのももちろんありで、正直迷ったのは事実です。
Softone Model8-300Bを選んだ今は、そういう葛藤が不思議と消え去りました。コストパフォーマンスがいいとかそういう妥協的な経済性をいうつもりもなく、毎日音を聴いていて素直にいいなぁというのが今の気持ちです。
漠然と真空管アンプは緩くてタイトレンジでウォームな音が出るという思い込みがあります。
確かに間違いではありませんが、Softone Model8-300Bの音はずしっと質量を感じさせる低域に温かみを感じさせながらもしなやかでスーッと伸びる高域、そして何よりもしっかり厚みのある中域が特徴的です。スイッチングDC-DCコンバータによるフィラメント点火回路の効果もありノイズは皆無の静寂性も兼ね備えていました。
刺激がないのに解像感に不足を感じさせない本当によくできたアナログ回路だと思います。管球アンプの音はトランスの音という喩えもあります。出力トランスはソフトンで単体パーツとしても売られているRコアトランスが採用されていますが、このトランスもいい仕事をしてるのかもしれません。
管球マニアにはウケないはずのSoftone Model8-300Bですが、私には愛おしくて好ましく官能的な音を鳴らしてくれるアンプです。