Bluetooth イヤホンを買ってみました。


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英RHAのMA650 Wirelessです。
Bluetoothイヤホンは過去に数本所有したことがあります。どれも完成度というか実用度がイマイチで、音質以前に通信が不安定で音が途切れて音楽を楽しむレベルにはないものばかりでした。
iPhone7以降、Appleがレガシーなイヤホンジャックを排除したことで、Wirelessイヤホンが一気に普及し、技術的にも熟成してきた感じがします。
外出時のみならず自宅でも煩わしいケーブルに縛られずリラックスして使うため、久々にBluetoothイヤホンを試しに購入しました。
今では左右が完全独立した真のワイヤレスイヤホンもたくさん登場していますが、レビューを読む限りまだまだ実用レベルにあるものは少ないようです。
迷った末、今回はネックバンド式のBleutoothイヤホンから選んでみました。
このタイプのメリットは、Bluetoothイヤホンとしてはそこそこ余裕のあるバッテリーを内蔵することが可能になることと、アンテナを含めた無線部の実装に自由度が高いことがあると思います。
それ以外に左右のイヤホンはネックバンドを通じて有線でつながりますので、左右完全独立タイプのように限られたBleutoothのバンド幅(通信容量)を左右でシェアする必要がなく、その意味で都会の電車内のような2GHz帯の無線通信が混雑した場所でも途切れるリスクが若干減ると思います。


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イヤホン部はアルミ筐体のダイナミックドライバーで、有線イヤホンなら普段使いで全く不満のないレベルの音がするものと思います。(RHAイヤホンを使ったことがないので想像です)
ペアリングそのものはスピーディです。コーデックもSBC以外に、AACやaptxにも対応しますから、仕様上はCDと同レベルのビットレートの音質が得られるはずです。
さて、どのくらいBluetoothイヤホンが進化したのか、ワクワクしつつスマホとペアリングして音楽を聴いてみました。
う~ん、これは。。。
PCやNW-ZX300ともペアリングしていろいろ聞いてみましたが、やはり同じような感想ですね。
普通には十分な音質かもしれません。しかし「もう有線イヤホンはいらないじゃん」というにはほど遠い音です。
MA650 Wirelessのレビューに高域の刺さりを指摘するものが散見されます。しかしこれは刺さりではないですね。明らかに高域が歪んで荒れたサウンドです。歪みはある意味で高域補完と同じ効果がありますから、高域が煌びやかなワイドレンジなイヤホンというふうに受け取るのかもしれません。
私にはどうしても違和感が残ります。正弦波テストトーンを鳴らしてみたら、8KHzを超えた周波数の辺りから一気に音が割れてものすごく耳障りな音になります。このことからも音楽を聴いた時の高域の荒れた音調になるのでしょう。
mp3など圧縮音源ならほとんど気にならないと思いますし、PCでビデオやTVを視聴する際のイヤホンとしてなら全く問題ないと思います。でもCDやハイレゾの音楽はちょっとこれで満足しながら聴くことは難しいというのが私の結論です。
何も高価な有線イヤホンと比較してということでもなく、U5000クラスのお手軽な有線イヤホンとも全く勝負にならないレベルです。
多くの人がBluetoothだから(有線に比べて)音が悪いと考えていると思います。でもドライバーユニット含めてイヤホン本体の本来の音質は遜色ないはずです。
AACやaptxコーデックなら48K/16bitなのでCD以上ですから、Bluetoothだから音が悪いというのも考えにくいです。
ワイヤレスイヤホンの音が今一つなのは、限られたスぺースに実装されたイヤホンアンプと、それに電力を供給するバッテリーが貧弱だからでしょう。DACだって独立したオーディオDACが使われているという説明を聞いたことがありません。そこから得られる音質はどう考えても推して知るべしということです。
RHA MA650 Wirelessを使ってみて、ビデオ視聴やyoutube試聴には十分な音ですし、やはりケーブルから解放されるのは間違いなく楽という感想です。
オーディオを愉しむという用途には、音質はどうしても有線イヤホンにかないませんし、それはマニアでなくても明らかに差が分かる違いがあります。