私のデスクトップオーディオ環境は現在次のようになっています。

PCUSB-DAC(Topping D50)ラインアンプ(FX-AUDIO- TUBE-00J LIMITED)アッテネータ(FX-AUDIO- AT-02J)→パワーアンプ(SUN AUDIO SV-2A3)→スピーカー(Q ACOUSTIC 3010i)

実際にはD50の後ろにラインセレクターを介してヘッドホンアンプ(Softone MODEL9)も接続されてます。

USB-DAC(D50)の出力以降のアナログ信号レベル(ラインレベル)が果たしてどうなっているのかずっと気になってました。パワーアンプのボリュームは最大固定で、音量はプリで行うべしという古からの教えもありますし、そもそも過大入力になってないのか、信号は歪んでないのかなど、気になりつつも面倒くさくて放置。
今回、SV-2A3が完成しメインアンプとして活躍してもらうために長年のモヤモヤを重い腰を上げて調べてみました。
以下自分の覚書なので長いです。



D50出力 -0db
まずD50の1KHz出力です。音源はパソコンソフトで作った最大ピーク0dBのサイン波信号です(32bit 192KHz PCM)。
D50は出力可変ですので、基本のー0.0dB時の波形。
中華DACとはいえ最新デバイスということもあって非の打ちどころのないきれいな波形です。
出力は1.92Vと、まずまず標準的なラインレベル出力です。



D50 -0db時のTUBE-00J LIMITED出力
D50(-0.0dB時)出力をTUBE-00J LIMITEDに入力し、ボリューム最大にしたときのTUBE-00J LIMITEDの出力。この通りクリップしてしまいます。過大入力です。



D50 -2.5dbでTUBE-00J LIMITED出力はサチらない
TUBE-00J LIMITEDの限界を探るため、D50の出力を下げていきます。-2.5dBで波形クリップがなくなりました。
この時のTUBE-00J LIMITEDの出力は4.16Vです。



AT-02Jはー20db
TUBE-00J LIMITEDの出力はAT-02J(ー20dB)を通して、SV-2A3の入力に接続しています。



SV-2A3 3.5W相当時の出力
SV-2A3のスピーカー端子に7.5Ωのダミーロードをつなぎ、ボリューム最大で出力を見ます。
D50の出力を下げていくと、-12.0dBでSV-2A3の波形クリップがなくなりました。
この時SV-2A3の出力は5.2Vです。7.5Ω負荷なので計算上は約3.5Wとなり、SV-2A3の最大出力とほぼ一致です。



AT-02Jの出力
そしてこの時のAT-02Jの出力=SV-2A3の入力は0.17Vとなり、これもまたサンオーディオが公開している入力感度(150mV)とほぼ一致していました。

というわけで、D50(-12.0dB)、AT-02J(-20dB)、SV-2A3(MAX)というセッティングで、音量調整はプリアンプに相当するTUBE-00J LIMITEDのボリュームをフルに活用して行えることになります。

なのですが、D50はヘッドホンアンプのModel9にもつなげています。
Model9はゲイン約2倍で400mW(32Ω時)のアンプですから、計算上は入力が約1.6V必要ということです。D50の出力をー12.0dBまで落とすと出力は0.4V程度になりますので、今度はModel9が入力レベル不足となってしまいます。
一口にラインレベルといっても単純ではなく、破綻なく接続するためには悩みが多いです。

SV-2A3を使うときはD50をー12.0dBに、Model9を使うときはD50をー2.5dBにすればとりあえず音量調整は100%活きることになります。
しかしD50の出力ゲインを前面のジョイスティックでポチポチと変えるのは面倒くさい。
先人達が指摘しているとおり、SV-2A3のゲインが高すぎるのが問題です。入力感度が1Vくらいまで下げられると使いやすいと思うのですが、パワーアンプのボリュームを半分くらいに絞るしかないです。
パワーアンプのボリュームは最大に固定すべしというありがたい(?)教えに背くことになります。

そしてわかってはいつつも、こうして書き出してみると実に邪道なシステム構成ですな。ソースからパワーアンプまでの間でアナログライン信号を増幅したり減衰させたり繰り返してます。
ピュア派が見たら卒倒すること間違いありません。
前記事に書いたとおり、AT-02Jが原因のノイズもありますし、なんとかパッシブプリアンプ等を使ってシンプルにまとめられないかな。