真空管アンプ熱が高まり、ちょっとだけいいデスクトップ用のスピーカーが欲しくなって、Bowers&Wilkins 607を導入しました。



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607はB&Wの最廉価スピーカーです。
われわれ世代にはどこか憧れがあるJBL。本当はJBL4312MIIが欲しくなって、ヨドバシに試聴しに行きました。
ビジュアル的にもクラシカルなJBLモニタースタイルがインテリアとして魅力的です。
管球アンプにJBLスピーカーでJAZZを流すって最高に決まると思うのです。
でも、試聴する度に落胆と失望の繰り返しです。
今回も「見た目優先」というつもりで試聴しに行ったのに、店頭で聴く4312MIIのあまりにチープすぎる音にやっぱり断念しました。もう何度同じ行動を繰り返していることか・・・
ミニチュアJBLはやっぱり厳しい。4312MIIを満足する音で鳴らせている人がある意味羨ましいです。



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ということでB&W 607になりました。
狭いデスクトップに設置するので、このサイズが限界です。
各社の13cmウーファー搭載クラスのスピーカーを聴き比べ、いつも残るのはDALIかB&Wなんです。
今回もいちばん良かったのはDALI OPTICON1で、次点はDALI OBERON1でした。やっぱりDALIの音は私の好みに合うようです。
音のキャラクターがDALIとは全く異なるB&Wなんですが、これはこれで気持ちがいい音で、いつもDALIばかりじゃ面白くないので今回はB&W 607にしました。



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邪道ともいえる小型スピーカーと真空管アンプの組み合わせです。
昨今、大型のフロアスピーカーを導入できる人はほとんどいないでしょうから、この邪道な組み合わせでちゃんと鳴るのかどうか不安を感じる人が多いのではないかと思います。
真空管パワーアンプのSV-2A3は2A3シングルのA級パワーアンプでその出力は3.5W+3.5Wしかありません。
B&W 607は13cmウーファーと2.5cmツイーターの2wayで能率は84dBmというスペック。
これで実用になるのか思われるかもしれませんが、全く問題ないです。
デスクトップのニアフィールド視聴環境で音量が足りないということはまずありませんし、スピーカーからの音がダイレクトに聴こえる環境ではスピーカーのキャラクターが生々しく伝わります。



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B&Wのスピーカーに対する私のイメージは曖昧さのない冴えわたった切れ味の音です。新世代の607もそのイメージどおり、ひたすらスピードのあるキレキレな音です。
それでいて耳障りでないのはさすがB&Wの音作りのうまさみたいなものがあります。
B&Wといえば黄色いケブラーコーンでしたが、最上位の800番台から順次下位グレードに展開された新しい銀色のコンティニュアムコーンのミッドバススピーカーは狙い通りゆるぎない正確無比な音の再生を実現しているように思います。
ウッドファイバーコーンのDALIがしっとりした音で聴かせる方向性と異なり、個人的にはB&W 607には音の深み的なものが今ひとつ足りなくて平面的に聴こえる感じがします。
でもウォームな管球アンプとシャープなB&Wスピーカーの組み合わせは悪くありません。
ありきたりな表現しか思いつきませんけど、今までのスピーカーからは聴こえなかった音がB&Wからは聴こえてくるのです。
長く付き合えそうな良いスピーカーです。



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ところで今回はスピーカーケーブルの端子として今回は電材のYラグを使ってみました。
高価なオーディオ専用端子より電材のパーツのほうが優れているという意見があったりするのです。
いままでFURUTECHのいかにも音がよくなりそうな金メッキのがっしりしたY端子をずっと使っていました。しかしB&W 607のスピーカーターミナルにはサイズが合いませんでした。
半ば仕方なく電材のYラグ端子を使ったのですが、電材端子の良さがよくわかりました。
この安価な電材Y端子はとにかくしっかり固定されます。これだけで接触抵抗がぐっと下がりそうです。ニチフの製品なので品質はばっちりですしおすすめ。
FURUTECHの分厚いYラグ端子はスピーカーターミナルのネジをいくらきつく締めてもすぐ緩むし、しっかり締まらないなぁと感じていたので、その不安も解消します。