愛用のポータブルオーディオプレーヤー、iriver Astell & Kern AK100
CDを大幅に上回る音質のハイレゾ音源が少しずつメジャーになってきて、ソニーのウォークマンもハイレゾ音源対応モデルを出してきています。
AK100はお気に入りなのですが、従来からドライブ回路の弱さがネックで、それゆえイヤホンを鳴らし切ることができないといわれてます。事実、解像感には優れているものの、腰高気味のサウンドで、パワフルサウンドとは言えないところがあります。
出力のダンピング抵抗を小さくした(22Ω→3Ω)AK100MkIIという派生モデルが日本限定で発売されるなど、俄かに機運が高まってきたところで、禁断の改造に手を出すことに。

国内外にAK100の改造を請け負うショップがあるのですが、単純な作業の割に改造費が高額です。自己改造に走るマニアも多く、ネット上にもたくさんの実例があります。
私もAK100を購入して10か月、メーカー保証ももうすぐ切れるし、リスク覚悟で改造に手を出すことにしました。
改造メニューは複数あるようですが、ノーマルAK100最大の問題である出力ダンピング抵抗の除去だけ実施します。


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まず底面のビスを2個外します。
ヘックスネジですので、専用のドライバーが必要です。我が家にはもちろん(?)備えがありますが、ダイソーなどでも入手可能です。


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吸盤を使って裏蓋を外します。
吸盤が無ければ強力両面テープなどで頑張りましょう。


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裏蓋が開きました。
銀色のものはバッテリーパックです。両面テープで張り付けられていますので、ベリベリっと剥がしましょう。


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バッテリーパックが剥がれました。
バッテリーのコネクタを注意深く外し、茶色のフラットケーブルを引き抜きます。
私はうっかり茶色のフラットケーブルをコネクタごと基板から引きはがしてしまいました。
この時は気づかず、後ほど「しまった!」と途方に暮れることになります。


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バッテリーが載っているトレーを取り外すと、基板が姿を現します。
改造ポイントは黒い絶縁シートの下です。


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黒い絶縁シートを剥がします。
これですべてが見えるようになりました。
改造ポイントは赤丸で囲ったあたりにあります。


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アップ写真。
赤丸の部品が「ダンピング抵抗」です。
念には念を入れて、取り外す前にテスターで計ったら、確かに22Ωの抵抗でした。


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多くの皆さんはこの抵抗を取り外さずに、抵抗両端をショートさせているようですが、必要ない部品が残っているのは気分が良くないので、私は取り外しました。
どうにか取り外し完了。


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取り外した22Ωのチップ抵抗。
新聞折り込み広告のドットと見比べていただければこのチップ抵抗の小ささがお分かりいただけるかと思います。


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取り外した抵抗の代わりに、リード線をほぐした電線1本でショートさせます。
汚いのは手持ちのハンダがヤニ入りハンダしかなかったから・・・
繊細な作業で四苦八苦しながら何とか接続できたようです。

この後は分解の逆手順で組み立てていきます。
この時、茶色のフラットケーブルのコネクタを間違えて基板から外してしまったことに気づき途方にくれましたが
、どうにかハンダ付けすることができて一安心。


ヒヤヒヤもので電源を入れると、無事に立ち上がり、音もちゃんと出ました。
ダンピング抵抗除去(22Ω→0Ω)の効果は想像以上で、力強く腰の据わったサウンドに激変しました。AK100の良さである高解像度はそのままに、パワフルなプレーヤーになりました。
AK100はファームウェアの更新も頻繁に行われ、音質面での改良もされてきたのですが、ファームウェアの更新だけではさすがにハードウェアの限界以上になりません。
この改造はリスクを負うだけの効果は確実に得られると思います。
普通に考えれば出力端子にわざわざ抵抗を入れて出力インピーダンスを高くするという設計が謎です。オーディオ領域の周波数帯で伝送路マッチングということでもないでしょうから、メーカーがわざわざダンピング抵抗を入れているというのは、万が一のときの保護回路の意味なのではないかと推察します。
AK100MkIIも、上位機のAK120もこの抵抗は0Ωではなく、どちらも3Ωという値にされているのもそのためなのではないかと考えられます。(違うかな?)

AK100の出力段にはアンプは入っていないと思われますが、このダンピング抵抗の除去だけで確実にドライブ能力が向上しますので、AK100をおしゃかにしてもいいという覚悟があるなら、チャレンジし甲斐のある改造です。

それにしてもAK100の改造、やることは単純、作業は困難でした。
往年のラジオ少年(私)でハンダ付けが得意だったのですが、昔の部品はほとんどすべてリードを基板の穴に刺してハンダ付けするのが普通でした。でも昨今はほぼすべて表面実装になり、部品が超小型になっています。ハンダゴテでこれらの部品を基板上にハンダ付けするのは困難を極めますね。
特に老眼が進んだ我が身ではほとんど見えないので、目に固定するルーペを使っての作業です。
同世代の皆様におかれましては、くれぐれも準備をしっかりしてから着手されますように。