もう昔の話ですが、私はカメラマニアでした。写真マニアではなく、カメラマニア。とにかくカメラが好き。
男子の嗜みというか、自動車、腕時計、カメラは昭和世代の男子にとって三種の神器みたいなもんです。
今となってはそういう病は多少癒えましたが、基本的には今でも変わってないかもしれません。

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でかくて重いカメラを持ち歩くのが億劫になり、長いこと一眼レフからは遠ざかっていました。
といっても家には一眼レフカメラがなかったことはありません。去年買ったニコンD610も自分で使ったことはほとんどなく、持ち出すのは娘だけ。自分はコンデジ専門になっていました。
カメラを積極的に使うシーンとして山登りがあります。せっかく苦労して登った山岳風景は満足いくクオリティで残したいものです。でもデジタル一眼レフを登山に持参するのは、私の体力と技量では絶対不可能なのは自覚しています。
そうなるとハイエンドコンデジを探し求めて買い替えを繰り返すことになるわけですが、一定の満足が得られるようになっても、物欲はキリがありません。
ミラーレス一眼なら登山にも持っていけるかもしれない。そう思って熟考の末に買ったのがオリンパスOM-D E-M1でした。
カメラバッグを工夫して山登りにも何度か持っていき、使い勝手にも写りの良さにも満足していました。
これならギリギリで山登りで使えるなと確信した一方、コンデジをフジフイルムXQ1からキヤノンパワーショットG7 Xに買いかえて、また悩みが深くなりました。

キヤノンパワーショットG7 Xで十分じゃん。

オリンパスOM-D E-M1+M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROレンズは素晴らしいシステムです。
でもマイクロフォーサーズという規格の限界が存在します。画質で「物理的な大きさの制約」は超えられないのです。フルサイズはおろか、APS-Cサイズのデジタル一眼レフの滑らかで深いトーンの写りにはどうしても追いつきません。
システムとしてコンパクトで軽量とはいえ、レンズ交換式の一眼スタイルですから、結局のところ嵩張ってしまいます。当然ポケットに入るようなカメラではありません。登山では文字通りお荷物になるのです。
キヤノンパワーショットG7 Xはそんなギリギリの選択にマッチしてしまいました。若干大きくてもあくまでコンデジ。描写については1インチという絶妙なサイズのイメージセンサー+DiGIC6の組み合わせが、進化したスマホカメラの追従を全く寄せ付けいない圧巻の写りをもたらしてくれるのです。
キヤノンパワーショットG7 Xがマイクロフォーサーズ機並の写りだとは思いませんが、結局のところ中途半端な可搬性のオリンパスOM-D E-M1を苦労して登山に持参して得られる写真と、キヤノンパワーショットG7 Xで撮る写真を天秤にかけて、私の場合はキヤノンパワーショットG7 Xで100%納得できるという結論になった次第です。

せっかく満足していたオリンパスOM-D E-M1ですが、登山に持っていかないとすればデジタル一眼レフでもいいわけで、なんだか急に買い換えたくなってしまいました。

ニコンD610があるわけですが、正直微妙なところがあって、正常進化したニコンD750に買い替えを検討していました。
とりあえず軍資金の確保が先なので、ニコンD610とオリンパスOM-D E-M1をヤフオクで売却。ほぼ想定どおりの金額で落札され、買い換え機種の検討を。
ニコンD810という孤高の高画質機が気になりつつも、予算もあるしやっぱりニコンD750にするかなーと悩んでいたら、D750は「ダークバンド問題」で量販店の店頭から姿を消してしまいました。再販は1月下旬になるとの情報。
すぐに使う予定もないし、改修されたD750を待つつもりでしたが、1月12日までヨドバシの会員特別価格でニコンD810がお安くなっていることに気づきました。
「終了まであと3日じゃん」
この瞬間に諭吉さんの追加出動を覚悟し、ポチっとなしてしまいました。

ニコンD750でいいと言いながら、D810が気になっていたのは事実です。
確実に上級機のフィーリングを有しているD810。やっぱり嬉しい。迷っているくらいなら後悔するより欲しいほうを買ったほうが心底楽しめます。
まだあんまり使い込んでいませんが、圧巻の写りを堪能させてもらってます。
久々に手にして使って興奮したカメラです。