ONKYO DP-S1はポータブルオーディオ機器として小型軽量で、過度なストレスを感じずに使えるDAPです。


DP-S1_20170416
兄貴分としてのDP-X1AはOSがAndroid。弟分としてのDP-S1はオリジナルOSです。
私はAndroidを採用したDAPが大嫌いだったのに、DP-X1Aを買ってからは別に気にしなくてもいいんじゃないかと考えるようになりました。
逆に様々なネットワーク音源が楽しめるDP-X1Aが手放せなくなり、そしてモバイルでもシームレスにネットワーク音源が楽しめるGRANBEAT DP-CMX1に乗り換えようかとまで考えていました。
でもやはり通勤など移動中はできるだけ小さくて軽いほうがいいという考えに原点回帰、DP-S1を選んだ次第。
DP-X1AとDP-S1は外形サイズがかなり違うのに、仕様上の回路構成はほとんど変わりません。
パワーの源であるバッテリーは両方とも1630mAhです。アンプはES9601Kを2基搭載してます。
そしてDACはDP-X1AがES9018K2Mを2基、DP-S1がES9018C2Mを2基搭載してます。
DP-S1のほうが最新DACを積んでいると言っているブログがありますが、この2つはES9018K2MがQFN28ピンパッケージで、ES9018C2MがWLCSP25ピンパッケージで、単なるパッケージ違いです。DACチップそのものは同じものですから性能に差はありません。WLCSPのほうが実装面積が小さくなるのでDP-S1やDP-CMX1に使われているんだと思います。
なので音は変わらないかと思ったら、確実に差があります。
どちらもONKYOハイレゾDAPサウンドなのですが、同一音源を同時に交互に聴き比べると、DP-S1のほうが力強く感じます。そして中域から高域の音の余韻部分の響きはDP-X1Aのほうが滑らかでDP-S1は少し雑味を感じます。
静かな環境で分解能に優れたイヤホンやヘッドホンで聴き比べたらわかるくらいの差なので、店頭試聴だと気づかないかもしれません。DP-X1Aのほうが落ち着いてしっとりした音になっています。
あと、モノとしての質感は圧倒的にDP-X1Aのほうが上です。アルミ削り出しのシャーシなのはどちらも同じはずなのに、手にした時の高品質感という意味ではDP-S1は物足らないかもしれません。
逆にDP-S1はフォーンジャック出力時でもDSDネイティブ再生が可能なのはとてもポイントが高いです。せっかくのDSDですから、PCM変換ではなくDSDネイティブで聴きたいですからね。
あとDP-S1のボリュームノブ、これはいただけません。回転が軽すぎとかいう以前にダイヤルそのものがグラグラで触った瞬間に気分が萎えます。こんな立て付けのダイヤルを付けるくらいならボタン式のボリュームのほうがいいです。
なんだかんだと不満はあるものの、このサイズでこの音質なのはやはりDP-S1を選ぶ意味があると思ってます。
Twin DACでTwin AMP、バランス出力を持っている小型プレーヤーはそんなに多くありません。