話題の新製品、ソニー NW-ZX300を買いました。


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ハイエンドクラスのNW-WM1シリーズで培ったサウンドテクノロジーをNW-ZXシリーズに落とし込んだ野心作といえます。
とはいうものの、ソニー製品があまり好きでなく、さらにWALKMANをある理由で避けていた私は直前まで全く興味がありませんでした。
発売前のヨドバシには無可動のモックが展示されていて、不覚にもそのモックをうっかり手にした瞬間、絶妙なサイズ感、凸凹のないプレーンな形状、アルミ筐体の塊感にヤラれてしまった次第。動かないモックに惹かれてしまうとは我ながら情けない限りです。


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毎日手放せないDAP。8月にAstell&Kern AK300に買い換えたばかりです。
AK300に満足し、毎日楽しく使っていたにもかかわらずNW-ZX300を買ってしまいました。
AK300はすでに生産終了となり市場在庫限りの製品ですが、UIの完成度、良質なサウンドは現時点でもトップクラスだと思います。
発売当初の価格はかなりかけ離れた2台ではありますが、2017年10月現在、実売価格でほとんど同クラスとなっています。
聴き比べてみると、どちらも現代のハイレゾプレイヤーとして素晴らしいものですが、AK300はやはりAKシリーズの音、NW-ZX300はWALKMAN、ソニーの音がします。
端的にいってAK300は明るく軽快な音、ZX300は重心が低く中域に張りのあるパワフルな音というところでしょうか。
悪口風に書けば、AK300は腰高で軽薄、ZX300はドンシャリで暑苦しい音ともいえますが、これはもう悪口ではなく両シリーズの伝統的な音作りの到達点というべきかもしれません。


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純正オプションの手帳型レザーケースに入れたNW-ZX300。
前面を覆うフラップカバーがついているのはとても安心。ポータブル機器のケースとしてとてもよくできています。
WALKMANを避けてきた理由の一つがソニーはノイズキャンセリング(NC)全面推しが目立つ戦略だったからです。
トップモデルのNW-WM1ではNCを載せていませんし、NW-ZX系統にも搭載してきませんでした。
NCが手放せないというユーザも多いのでしょう。しかしピュアな音を求めればNCは絶対邪道です。
そもそもソニーの中の人が「ピュアオーディオにNCは邪魔」と言ってしまったくらいですからね。
NCはイヤホンも限定されるし音の鮮度や音場感が劣化するNCが私は嫌いです。
それともう一つ、ソニーの音といえば昔からドンシャリで低音ブリブリ系の音という印象が強いです。ドンシャリそのものは嫌いではないのに、ソニーのドンシャリはドン(低音)に芯がなく緩く弛んだ量だけ番長なのが耐えられませんでした。シャリ(高音)は無理にキラキラにしていなくていいんですけど。
最近のソニードンシャリはどうかといえば、かっちり芯があってスピード感が落ちない低音がしっかりと盛られて、心地よく音楽が楽しめる音作りに変化したようです。WALKMANは長く試聴すらしてこなかったのでいつのころからこういう音作りに変遷していったのかわかりませんが、いまのソニー(のNCなし)は腰が高く無理にハイレゾ感を煽ったAKサウンドより私の好みにマッチしています。
AK300と同時に比較してみれば、ZX300は高域の音が少し解きほぐれていなくてやや混沌としているように感じますが、200時間のエイジングをソニーが推奨しているくらいなので今後どんどん良くなっていくかもしれません。(まだ30時間程度しか通電していないので)
それでもNW-ZX-300のドシンとした低域の沈み込みと、そして何より中域の張りの強いパワフルな音がひたすら心地よいのです。

続く・・・