ヘッドホンアンプ内蔵USB-DACのAmulech AL-38432DQは買って後悔のないコンポーネントです。
DACとしてのAL-38432DQに不満は一切ありません。
しかしヘッドホンアンプとしてはbeyerdynamic DT 1990 PROを十二分に鳴らすだけの能力がなく、やや物足りません。



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前から興味があったNFJのアナログヘッドホンアンプ PH-A1Jを導入してみました。
これは第2ロットのPH-A1Jで、第1ロットで問題になった発熱によるノイズ発生や動作不良を対策した新規回路となっています。(大幅改良なのに同一製品名なのは諸々大人の事情でしょう)
で、結論から言って楽しめるアンプといっていいかもしれません。
ディスクリートトランジスタの出力段構成によるA級アンプということで、その音質はイメージ通りのアナログサウンドです。
価格的には上位となるPH-A2Jもありますが、やはりPH-A1JのディスクリートパワートランジスタによるA級動作という仕様に魅せられます。

AL-38432DQとPH-A1Jを差し替えながら試聴します。一聴した印象はハイレゾ感があるAL-38432DQに対し、ふくよかで角がないPH-A1Jという印象。
しかしDSD音源をじっくり試聴すると、音の分離や空間の響き感、低域のずっしり感から中高域のなめらかな水羊羹のようなしっとりしたトーンなど、明らかにPH-A1Jの清らかさが印象に残ります。
16Ω時1200mW、600Ω時115mWのハイパワーで、比較的ドライブが難しい入力インピーダンス250ΩのDT 1990 PROも余裕でバリバリに鳴らしきれます。

例によってNFJアンプにACアダプターは付属してきません。
手持ちの12V 1A出力のスイッチングACアダプターと、トロイダルトランス使用の12V 5A出力のリニア電源で比較試聴しました。スイッチング電源でも雑味を感じないサウンドだと思いましたが、リニア電源に交換して音を出した瞬間、ひとまわりふくよかで圧力のある音になりました。
どちらも捨てがたい音で音の違いは好みの範疇だと思います。
何度か比較して、私はPH-A1Jの電源にはトロイダルトランスのリニア電源を使うことにしました。