あらためてエミッションラボ球の感想です。



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灯入れしてまだ20時間も経っていない段階なので、実力は発揮できていないのかもしれません。
メーカーもバーンイン(日本流だとエイジング)を行うよう提言しています。でもこれは音が変わるというより初期故障リスクの回避や寿命を延ばす意味で真空管を「慣らす」のが主目的です。
それを前提にした上で、端的に言ってエミッションラボ2A3メッシュと5U4Gメッシュを挿したSV-2A3の音は、タイトかつクリア。
真空管アンプらしい柔らかさのようなものはよい意味で薄らぎ、これ単体で聴いたらシャープで透明感の高い音になりました。
それでも中華D級アンプと切り替えながら鳴らすと、明らかに真空管アンプらしい独特のトーンがあります。
いま手元にある球との比較では解像感が増した近代的な音質で、一気に明るく華やいだ感じがします。
その分だけ重心が上がった感じも受けますが、もちろん重低域が出なくなったということではありません。フォーカスがぐっと締まりにじみが減ったという雰囲気です。
最も音の重心が低く感じる2A3はSOVTEK球で、RCA球はそれより明瞭でいつつも響き感が強めに出て、エミッションラボ球はさらにクリアで反響感が一気に減った感じです。
整流管はもう圧倒的にエミッションラボ。他を圧倒する力感です。次点はロシア球でこれは今も優れものだと思ってます。その次がRCA球で、先日故障したPSVANE球は腰が浮ついた軽い音になります。
外観についてはいろいろ好みはあるでしょうが、メッシュの向こうにフィラメントが赤らむところや立派な立ち姿、精巧なつくりなど目で見て愉しむ要素は断トツでエミッションラボ球ですから、私個人としてはもう球ころがしはこれでアガリでいいやと。