機械式時計の精度(歩度)を確認するための装置として、ビブログラフとかタイムグラファーと呼ばれる測定器が昔から存在します。
ずっと前から欲しかったのですが、総じて高額な測定器なのでちょっと買ってみるというものではありません。
最近は中華製の安価なタイムグラファーが国内Amazonで買えるようになっても約2万円しますので、欲しいけど躊躇していました。



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さらに簡易的にはなりますが、いまやスマホアプリでタイムグラファーがあります。
これはiOS用のWatch Tuner Timegrapherという有名なアプリ。無料ではなく1600円という(アプリとしては)高額な有料アプリです。
ま、専用測定器を買うと思えば安いものなので、試しに買ってみました。
iPhoneに付属のイヤホンマイクを使い、そのマイクを時計にセロテープで貼り付ければチックタック音を拾って歩度が確認できるというものです。
専用のタイムグラファーも音響ピックアップで音を拾う仕組みですから考え方は一緒です。
ハミルトン ボルトン メカニカルで試してみました。
iPhoneではすぐに測定できました。
結果は歩度+6.8秒/日、ビートエラーは0.3m秒、振り角257度ということで、けっこう立派。
しかし実用精度は-5秒/日くらいです。この時計けっこう姿勢差があって、上記は文字板下での測定値ですが、文字上だとー5秒/日くらいになります。リュウズ上、リュウズ下、12時上、6時上もそれぞれ遅れ進行になりますので、実用精度とだいたい近いなあという感じです。



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このアプリはユニバーサルアプリなのでiPad用もあります。
画面が大きい分、iPadのほうが見やすくていいのですが、なぜか同じイヤホンマイクを使ってもうまく動作しません。
マイク感度を慎重に調整すると、あるピンポイントで何とか拾えるようになるのですが、なかなか安定して測定ができません。
原因は不明です。
このアプリの信頼性はわかりませんが趣味としては十分です。とりあえずiPhoneで使いたいと思います。