高精度な時計であることを示す「Chronometer」。
本来はスイスのクロノメーター公認検定局のテストに合格し証明書を受けなければクロノメーターを名乗ってはいけないのです。



R0001913
グランドセイコーファーストの文字板に書かれたChronometerの文字。
いまのグランドセイコーにはないので、マニア的にはうれしい1行です。
当時のセイコーは独自テストを社内で実施し、クロノメーターと同等の精度であることを確認し、独自にChronometerと名乗っていました。
いわば「なんちゃってクロノメーター」です。JIS規格に準拠していることを自分で確認したから製品にJIS準拠って書いちゃったみたいな感じ。
またはちょっと前のチュゴク製品が試験もしてないのにxxx規格のマークをつけちゃうみたいな。
1960年ころの日本はなんだかんだ言ってまだまだ後進国でしたからそんなことも当然だったんでしょう。とはいっても真面目な日本人がスイスに追いつけ追い越せの一心で開発した時計ですから、実力は本当にクロノメーター級なのがさすがです。
当然スイス当局から問題視され、紆余曲折があって現代のグランドセイコーはクロノメーター以上の厳しいスペックを制定し、GS規格として自己認定しています。