欲しくて欲しくてどうしようもない。というほどではなく、興味はあるけど特に買いたいカメラではなかったんです。



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FUJIFILM X100Vを買ってしまいました
とりあえず箱から出して付属品ではないストラップを付けて、X100Vユーザの評価が高いNiSiレンズプロテクターを付けてみました。
X100Vは2020年2月(ブラックは3月)に登場した製品ですから今では話題性があるわけではなく、そこそこ市場でこなれはじめたカメラです。
X100シリーズは初代が2011年に登場して、今年で10周年です。
5代目となるX100Vも発売当初のメディア記事やアーリーアダプター達が発信している情報がたくさんあります。このカメラの詳しいことを今さら書き連ねるのは無駄なので省略と。
みなさんがブログで紹介しているのはシルバーモデルが多く、ブラックボディは不人気なのかなと思うくらい少ないです。時代はシルバーなのか?
そんなわけで私もシルバーモデルにしようと決めていたのに、実際にポチったのはどういうわけかブラックモデルです。直前に心変わりして勢いでブラックボディをポチりました。
いま現役バリバリでカメラ(写真)にはまっている世代にとってはたぶんシルバーモデルが新鮮に見えるのかもしれません。
私くらいの世代以上だと、黒ボディには一種の憧れみたいな特別感を抱いているものです。
昔からカメラは白黒のボディがラインナップされていることが多く、黒ボディは白(シルバー)ボディより定価が高かったのです。
そして極めつけはライカ。ライカのブラックペイントはそれこそ特別な存在で、使い込まれて真鍮の地が見えているボディには詫び寂びの境地にも通じる高貴なものとして刷り込まれています。
ライカのオリジナルブラックペイントはとても希少なので、クロームボディのメッキを剥離して後塗りでブラックペイントに仕上げることが一時期ブームになりました。高橋塗りとか関東塗りとかの黒いライカがたくさん生まれたものです。
そんな時代背景があり私にも漠然と「ブラックボディ」には憧れがあるのです。
X100Vのトップカバーは真鍮製ではありませんが、プレスと切削加工を組み合わせたアルミ製で、高度な金属機械加工技術で実現できたシャープなエッジが見事な仕上がりです。
このブラックボディは当然「塗り」ではなくアルマイト加工ですから、使い込んで味わいが出るわけではありません。でもこれはこれで新品カメラの仕上がり肌状態は素晴らしく高級感があって満足度は高いです。



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単焦点レンズのAPS-Cコンパクトとしてよく比較されるフジX100VとリコーGR III。
スナップカメラとしてライバル視される両機ですけど、コンセプトも機能も目指すところも全然違いますよね。
私はGR IIIがかなり気に入っていて(これも特に欲しかったわけではない)、今では唯一無二の存在だと思っています。写真を撮る道具に徹したストイックなカメラで、夜な夜な触ってニマニマするような存在の写真機ではありません。
X100Vは写真を撮る機械であることに加えて、所有してうれしく、夜な夜な弄って楽しいカメラとしてのポジションを狙ってかなり寄せてきていると思います。
実用性は高くギミックとしても外せないOVF/EVF切換えのファインダーの存在が、誰がどんなに否定したところで「M型ライカ」に思いっきり近いスタイルとして認識されます。
私なんかプアマンズライカと陰口を叩かれようと、もうこの形だけでいいんじゃないかと思ってしまうくらいです。
過去にM型ライカを何台も買った経験(*)からもこのレンジファインダー機スタイルのカメラを提げて写真を撮りに行きたいと思ってしまう自分がいます。ここ数年は写欲がぜんぜん湧かないにもかかわらずです。
カメラは好きなんだけどここ何年か撮る写真は行動記録のメモ写真ばかり。
そういうニーズならスマホ1台あれば十分で、カメラなどわざわざ持ち出す必要はありません。
コンデジというジャンルであっても持ち出すには邪魔くさいサイズのカメラは、それを持って出かけたくなるだけの「おやじのお道具」みたいなポジションが必要です。

*過去のM型ライカ遍歴を思い出してみるとけっこう買ってるな・・・
 M6白、M6黒、M3、M4、M6 Leitz、M2、M6TTL JAPAN Limited、MPを入手してました。


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その点でX100Vは十分に「おやじのお道具」の域に到達していると思います。
ガシガシ酷使するカメラというより、大事な道具を愛でるように大切に使いたいカメラなんです。
いまのカメラとしてX100Vに唯一足りないものは手ブレ補正機能です。X100シリーズを愛用しているユーザはそれほど切望してはいないようですが、省略できない機能だと思っています。
手ブレ補正が未搭載だから私は今までX100シリーズに飛びつかなかったといってもいいくらいです。
メーカーによればX100シリーズに搭載するには手ブレ補正ユニットの小型化が必要ということのようです。
でも他メーカーのカメラはX100Vよりもっと小型軽量でボディ内手ブレ防止機能を搭載していますから説得力はありませんね。
ま、なんだかんだ言いつつこうして使い始めてみたら、手ブレ補正は別になくてもいいかなって納得してしまっている自分がいるわけですが。