ほとんど同時期に買ってしまった2セットのスピーカー。



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KEF LS50 MetaELAC CARINA BS243.4です。
発売時期も価格帯もほぼ同じで、デスクトップに置くスピーカーとしてはほぼ上限サイズのブックシェルフスピーカーです。
KEF LS50 Metaは個人的にはあまり好ましく思わなかったモダンデザインです。
ELAC BS243.4は前から見た形はオーソドックスな2ウェイスピーカーそのもので奇抜感はありません。
どちらも写真写りはイマイチです。しかし実物の質感はとてもよくて、やはりこのクラスになると造りも仕上げも素晴らしくていいスピーカーだなぁという質感が確実に感じられる高品位なプロダクトです。



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KEF LS50 Metaは同軸ユニットな分だけ高さは低めですけど、今どきなスピーカーなので奥行きが280mmあります。背面バスレフのLS50 Metaにとって壁に近づけざるを得ない私の設置環境は不利です。
ELAC BS243.4は最新スピーカーとしては珍しく奥行きがそれほど深くなく213mmです。
少しでも壁から離して設置できるのに加えてこのスピーカーはボトムバスレフということで設置環境の影響を受けにくく私のような環境では有利です。
実際に設置して聴いてみると、不利だと思ったLS50 Metaが意外にも設置場所の影響が少ない印象です。バスレフポートの詰め物なしでも不自然な低域の共鳴はあまり感じません。
そしてスイートスポットが広いです。デスクに前のめりで作業していても、チェアの背もたれに寄りかかって後ろに下がっても聴こえ方の変化は穏やかです。
対してBS243.4はスイートスポットが狭くてリスニングポジションによって音質がかなり変化します。
机で作業しながら聴くとデスク上で反射した低音が強くなり、チェアに寄りかかって少し後ろに下がると急激に低域がタイトになって音痩せ気味に聴こえます。
3畳という狭い自室空間の天井や壁やデスクによる反射の影響があるので仕方ないとはいえ、その変化が強く出る傾向のスピーカーです。

音の傾向はかなり異なります。
英国のKEF LS50 Metaはどことなく暗いブリティッシュ系サウンドを感じさせつつも現代風の音で、ほんのりと雨の日の湿度感を纏った雰囲気と陰翳のある音質です。
私は知りませんでしたが、LS50はBBCモニターのLS3/5aをルーツに持つホームスピーカーというコンセプトなんですね。
名前は「LS」でもLS3/5aに通じるところはまったくないように思えますけど・・・。
いわれてみれば何となくフラットな出音傾向なところはLS3/5aにつながっていると思えなくもないかな(相当に無理やり)。
独逸のELAC BS243.4は以前の機種とは傾向が変わったといえ、こうして比較しながら聴くとELACらしさが感じられるパンッ、シャンッとした元気な音です。
音は深くて厚みがあり、ワイドレンジで伸びやかで快活な音質です。

懐が深く躍動的な音が楽しくてもっと聴きたくなるのはBS243.4、ハマったときの生々しい表現力が素晴らしいのはLS50 Meta。
勢い余って入手してしまった2組のスピーカー。手元資金不足とふところの負債削減のためにどちらかを手放さなければなりません。とても悩ましいところです。