TEAC Reference 505シリーズ。
デスクトップ派には貴重なA4サイズのピュアオーディオコンポーネントです。



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USB-DAC ネットワークプレーヤーのNT-505(上)とパワーアンプAP-505(下)を使用中です。
これといった不満はなく、というか完全に満足して使っています。
NT-505のほうは2018年発売で、息の長いオーディオ機器としてはしばらく現行機種のはずですが、このところ供給が不安定です。
ご存じのとおり昨年発生した旭化成マイクロの工場火災でキーパーツのD/Aコンバータが調達できなくなっている関係です。旭化成マイクロは工場再建を断念して半導体ファウンダリーによる再生産に舵を切ったはずなんですが、半導体のFab変更はそんなに簡単な話ではありません。
特にDACチップのようなアナログICは生産ラインを変えたら特性から何からすべて変わってしまうので代替生産といっても新開発レベルのリソースが必要です。
NT-505にはAK4497がデュアルで搭載されていますので、今後も部品が安定調達できなければESSかシーラスロジックあたりのDACに切り替えた新モデルになってもおかしくないと思います。
一方でReferenceラインナップに701シリーズという上位機種が出ました(といってこっちも生産上の都合=半導体の調達難で2021年7月現在は発売時期未定という状況ですけど)。
A4サイズが魅力的だったReferenceシリーズなのに701はフルサイズ・・・スリムではあるけどこの横幅ではデスクトップに置けません。
そして701シリーズのUSB-DACネットワークプレーヤーUD-701NにはディスクリートDACが採用されました。
ということは、NT-505の後継機はディスリートDACになる? そうだとしたらそれはそれで魅力的。
どっちにしても旭化成マイクロのDACを搭載した機種は貴重な存在になりそうです。
AK4499という最上位チップが登場しているのでAK4497は最高スペックというわけではありませんが、現時点でもかなりハイスペックですし、それをデュアルDACで使っているNT-505の戦闘力はまだまだトップクラスです。
ところでNT-505にはUD-505という兄弟機が存在します。DAC部分はまったく同じで、NT-505はネットワーク機能とGND分離のアンバランスヘッドフォンアンプを搭載、UD-505はネットワーク機能を持たず充実したバランス出力ヘッドフォンアンプを搭載しています。
私がNT-505を選んだ理由はネットワークオーディオプレーヤーとしてNAS上のライブラリーをPCレスで聴けるようにしたかったことと、Amazon Music HDを聴きたかったからなんです。
ファームウェアの更新でNT-505がAmazon Musicに対応するのではないかという根拠のない期待をし続けて、いまだにその気配すらありません。
上位機UD-701Nも非対応ですし、ハイエンドブランドのエソテリックでも非対応。
SpotifyやTIDALやqobuzには対応してるけどAmazon Musicには非対応。悲しい。
当時はNAS上のライブラリー再生が第一優先で、次に音楽ストリーミングサービスの利用だったんですけど、いまは音楽ストリーミングサービスしか使わないといっていい状態です。
そんなわけでネットワークプレーヤー機能は自由度が高いファンレスミニPCのCHUWI HeroBoxに任せたので、NT-505はUSB DAC兼プリアンプとして使用しています。ネットワークプレーヤー機能は必要なくなりました。
別にネットワークプレーヤー機能を使わなければいいだけだけど、使わない機能が入ってることが精神衛生的に良くありません。
であればUD-505のほうが魅力的に見えてきます。USB-DACとしてはオーディオ性能の歪率が小数点以下3桁が違うだけでNT-505と何も変わらないのですが、UD-505は3点支持のピンポイントフットが採用されています。NT-505は何故か普通の4点支持。
ちなみにAP-505は3点支持のピンポイントフットです。
しょうもない理由だけど、使わないネットワーク機能がなくなって、私はまず使わないけど充実したヘッドホンアンプ(バランス対応)になって、本気度が向上するピンポイントフットのUD-505に買い替えようとしました。
で、ポチる寸前でハタと気づきました。
UD-505はMQAコーデックに対応してないじゃん。
FLACよりMQAのほうが音が良いとされる理由がさっぱりわかりません。でも一部で使われ始めているMQAが再生できないというのは避けたいです。
というわけでUD-505への買い替えは中止。NT-505をこのまま使い続けることにしました。
UD-505とNT-505を統合してディスクリートDACでAmazon Musicに対応したUD-507N(妄想新製品)が登場しないかなぁ。
(長いわりにしょーもない話でした)


【追加】
この日記を書いて急に興味が湧いたのでMQAについてにわか勉強してみました。
概念だけは理解できました。
ものすごく乱暴に言ってしまえば『いい音に聞こえる細工をした非可逆圧縮フォーマット』ですね。
音の折り紙という騙し技は圧縮前のデータにビットパーフェクトで戻るわけではないです。
オーディオにありがちな美辞麗句でいかにもすごい技術だと刷り込もうとしていますが、仮にいい音に聞こえるとしてもそれは信号処理した加工データです。
MQAをありがたがって使う意味はないな。