私の初代グランドセイコーは先日グランドセイコーコンプリートサービス(オーバーホール)を実施して、これからも安心して所有できるようになりました。



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コンプリートサービスから戻ってきたら、日差だけがちょっぴり大きめになってました。
それでも日差+15秒~+20秒程度ですから、61年前のロービートの機械としては大変優秀です。
そのままでもいいんですが、気持ちよく使えるように結局自分で緩急調整をしました。
ヒゲ棒と緩急調整レバーをチマチマと弄ってはタイムグラファーで調子を見て・・・
そもそもすごく繊細で微妙な調整だし、せっかく追い込んでも裏蓋を閉めるとまたずれちゃったりと、古い時計の扱いは大変デリケート。精度の追い込みはひたすらに根気が必要です。
でも楽しい。



ゼンマイフル平置き
ゼンマイをいっぱいに巻き上げて平置きのとき。
日差は+5.3秒/日
元気な振り角、ビートエラーがゼロです!



ゼンマイフル伏せ
ゼンマイいっぱいで伏せ置き(文字板下)です。
日差は+4.1秒/日になります。



ゼンマイ中平置き
ゼンマイを巻き上げて20時間くらい後の平置き歩度です。
+7.5秒/日と、十分にいい感じ。
6姿勢すべて確認するのは面倒なのでこの辺でやめておきますww
古い時計は着用時の変化も大きいし、季節的なもの(気温)によっても変わってきますので、やりすぎても無駄です。ここまで精度が出ればもう十分なのです。



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この状態で実際に着用してみて、1日の精度は+4.5秒となりました。素晴らしいです。
見れば見るほどグランドセイコーファーストは美しいフォルムの時計です。
復刻モデルでは醸し出すことができない本物のオーラがあります。



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そうそう、今回のメンテナンスでパッキンが交換されました。
グランドセイコーファーストの裏蓋パッキンの謎がやっと解決しました。
セイコーの正式なメンテナンスでパッキンが交換さられてきたことから、やっぱり必要だったということですね。
アンティーク時計店やヤフオクで売られている個体には裏蓋パッキンが入っていないものがけっこうあって、もしかしたら元々パッキンがなかったのかなと思ったりしたことがありました。
そして交換されたパッキンはフラットパッキンではなく丸形パッキンでした。