ワイルドウィングという安価なライディングブーツがあります。



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そのワイルドウィング スワローを買ってみた。
ライコランドだか2りんかんで見た記憶があり、なんか安いブーツあるなくらいの認識で完全スルーしてました。
私はてっきり中華ブランドのamazon方面商品か、バイク用品店が独自に海外から輸入した商品だと思い込んでいたのですが、都内にあるウィングローブという靴の下請け製造をしていた会社が独自商品として作ったライディングブーツだということを知りました。



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見た目はシンプルな編み上げワークブーツです。バイクの場合、靴ひもがステップ周りに引っかかると危険なので編み上げ靴は避けられる傾向があります。
でもワイルドウィングは長めのシューレースを束ねてサイドジップの上部ストラップでまとめておける工夫がされています。
こうすると内側くるぶしから足首がゴロつく感じはあるものの、余った靴ひもをひっかけることはなくなりそうです。



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編み上げ、かつサイドジッパー。
靴ひもをほどかなくても脱ぎ履きできるのは便利です。
ウィングローブという会社は台東区千束にあるようです。浅草に近いところです。浅草といえば靴関連企業が軒を連ねている靴の町です。もともとは靴のOEM生産をしていた会社ということだったので、ワイルドウィングはMADE IN ASAKUSAにこだわったブランドなのかと期待してたら、バングラデシュ製でした・・・
社長が元全日本レーサーだったらしく、自分で履きたいと思う日本人向けのブーツがないのが開発のきっかけとのこと。
本革ブーツなのに1.5万円ちょいで買えてしまいます。安いよね。
本革といってもそのレザーはかなり低グレードですよ。このへん、革フェチの人なら手にした瞬間になるほどねって気付くレベルです。期待し過ぎは禁物。
バイクシューズはひたすらにいたみやすく傷つきやすいので、高価なブーツより気楽に履けるほうがいいと思ってます。これはこれでアリです。



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履いてみた。
シンプルなスタイルで好感が持てます。
サイズが大きく見えないところも好き。遠目にはチープさも感じません。
ワイルドウィングは低身長ライダーやバイク女子御用達の厚底ブーツをフルラインナップしてます。
私が買ったのは厚底ではない標準のモデル。実はTRACER9 GT+の足つきが不安なので、厚底タイプを選ぼうかと思って試し履きしてみたら、あまりにも足元がオネエ化して見えたのでやめました。
さらに悩ましいのが日本人向けに開発したというEEEEの木型。
ああやってるわ。日本人=幅広甲高というステレオタイプ。ちゃんと統計とってます?
明治大正昭和ならそうだったかもしれませんが、平成令和の日本人はそんなに幅広甲高じゃないでしょう。
ガチな昭和生まれで還暦の私でも足はDウイズで第2指が一番長いギリシャ型です。甲高幅広でエジプト型の日本人向けという靴はまず合いません。
案の定、EEEEという極端にワイドなワイルドウィングは足に合わないです。
私の場合サイズは27.0cmを選ぶべきなんですが、そうすると長さはいいけどブーツ全体がゆるゆる。
編み上げ靴だからシューレースの締め具合で調整できるとはいっても、EEEEというラストが災いしてアッパーが変形するほどキツキツに締め上げてもまったくおさえが利かない状態です。
やむなく26.5cmを選びました。でもつま先が若干触れるくらいになってしまいます。
このブーツのラストはヒールカップもかなりルーズでかかとが浮きますし、甲のおさえも甘いですから、ブーツの中で足がずれるのです。ライディングだけならたぶん大丈夫だと思いますが、ツーリング先で歩き回ることを考えるとこれは足が痛くなりそうだし靴擦れ必至です。



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ライディング用に特別に設計されたヒール。
斜めにカットされてます。
バイクのステップに足を乗せて、シフトペダルやリアブレーキペダルに自然に沿う角度になってるとのこと。
実はヒール靴でバイクに乗るのが苦手な私は、もしかしてこれは良いかもと思ってます。知らんけど。
あ、靴底のパターンが桜になってる。今気付いた。遊び心ありますねぇ。
ツーリング先で軽いハイキングをすることもある私はビブラムのブロックパターンのほうがいいんですけどね。



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意味のない比較w
私の宝物、ホワイツのセミドレスとワイルドウィングのスワローを並べてみました。
見た目は似てる?
でもお値段は10倍ですからね。手ごたえから作りから何から何まで違います。



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ワイルドウィングのスワローはすごく軽いです。
店頭で手にした瞬間に拍子抜けするくらい軽くてある意味驚きます。
実測してみたら、シフトガードがついてる左足で540gしかないです。
本革のミドルカットブーツでこの軽さはどうなってるんでしょう。
どこかの商品レビューで誰かが本革ではなく合皮だって書き込んでました。アッパーに使われている革の質感のなさ含めて合皮と思ってしまうのもわかりますw
質感が最低レベルでも本革ですよ。それは間違いありません。



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ちなみにクシタニのフローシューズは639gでした。
スニーカータイプのフローシューズのほうが重いのです。
クシタニもワイドラストに変更されて正直なところ私にはあまりフィットしません。でもこのシューズはBOAを締め上げれば大丈夫です。



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参考までにホワイツ セミドレスは1047g。なんと1kg超えです! 笑える。
ホワイツの中でも一番優しいセミドレスでこれですからね。
履き味はまさにアメリカンで漢なブーツです。ホワイツは私の足にはビッタビタにフィットします。でも重すぎて長時間散歩すると股関節が痛くなって悲鳴を上げますw



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巷では好評なワイルドウィングのライディングブーツですけど、一抹の不安を感じつつツーリングで使ってみました。
室内試し履きの時点で感じた不安がすべて的中です。
ライディングだけなら何とかなりますけど、歩き回ることはほぼできませんでした。バイクを降りて公園の見晴台を往復しただけで数ヶ所の靴擦れができてしまいました。
そしてサイズダウンしたためにつま先の捨て寸が全くなく、緩いラストでブーツの中で足が泳ぐため指先を痛めてしまいました。
残念ですがもう出番はありません・・・