クラシカルなライディングブーツのガエルネ フーガを履いてバイクに乗ってみました。



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フーガを履き、家の玄関を出て数メートル歩いただけで、これでバイクに乗れるのかって不安になるくらい硬いブーツです。
その不安は的中、走り出していきなりギアチェンジができない・・・
いつものようにシフトペダルの下に足が入らずシフト操作ができません。ミスシフトの連発でギクシャクした運転になってしまいます。
ワイルドウィングのスワローデイトナのレザーブーツではこんなことはなかったのに、足首が思うように動かせないという状態です。
ある程度の覚悟はしていましたが、ここまでカチカチのブーツだとは!
商品レビューの多くで「運転しやすい」「歩きやすい」と高評価が目立ちます。私はそれと真逆の感想なんですけど。
これは想像以上に手ごわいです。履きならして足に馴染むまでどのくらいの期間と苦行を強いられるのか想像もできません。



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なんとか目的地まで走りました。
そして履き下ろし初日にしてライディングだけでなくツーリング先で軽い登山もしちゃいました。
バイクの運転は大変でしたが、登山靴と同じ作りのフーガはまあまあ歩けるような気がしましたし(この時点では)。



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低山登山とはいえ、岩場の上り下りもそれなりにあります。距離にして5km以上はガシガシ山歩きしたと思います。
最初こそ快調でしたが、途中からあちこち痛みが出て泣きそうになりながら歩きました。
新品の硬いフーガは私の足にフィットしているとはいえません。
足の各部が靴擦れ寸前の状況になったり、圧迫されたり。こうなると痛みで傍から見ていてもおかしな歩き方をしているのが分かるくらいです。



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どうにかこうにか下山して駐車場に戻ってきました。
栃木の乾いた冬山を歩き回ったためブーツはホコリまみれです。ブラックのフーガがラフブラウンになったみたいw
痛む足を引きずりつつも岩でアッパーを傷つけないようひたすら慎重に歩きました。新品履き下ろし初日の山歩きでブーツに致命的な傷がつくのはやっぱり悲しいですから。
この程度の歩行ではフーガが馴染んで足に合ってきたような気配は皆無です。アッパーにはシワひとつ入っていないくらいです。



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分厚くて硬いアッパーレザーと登山靴に準じた堅牢なコンストラクションのため、新品のフーガは足首がほとんど曲げられないです。
更に私は普通の人より足首の動きが悪く固いので、シフトペダルの下に足先を入れることが著しく難しい状態になります。
また新品のフーガは足先形状がこんもりと丸くふくらんだ厚いフォルムをしている関係で、走行中にスムーズにつま先をシフトペダルの下に滑り込ませるのが大変です。意識して思い切りつま先を下に向け(自分の意識ではつま先を真下を向かせるくらい)、さらに足首を力いっぱいグイっと内股寄りひねってやっとシプトアップできるといった感じです。これがシフトアップの度に必要ですからとにかく疲れます。初日の感想は慣れで解決できるレベルではないと思ったくらいです。
少しでもシプトアップ操作を楽にしたいと思い、帰宅後にシフトペダルの位置を微調整しましたけど、そんなことではどうにもなりません。
とにかく早く履きならして柔らかくしていくしかないです。

もう一つはガエルネ フーガのラスト(木型)が私の足に合っていない根本的な問題があります。
私の足を3Dスキャンで実測したサイズは右26.4cm Dワイズ、左26.7cm Dワイズです。言ってみれば甲低幅狭に分類されると思います。しかし靴のワイズとは足幅ではなくて足の周囲なんです。私はDワイズでも足幅が狭いわけではなく甲が低いのです。
フーガは店頭での試し履きをして買いました。26.5cmはつま先が当たって履けず、27.0cmは左足のみ何となく足先が軽く触れるように感じ、27.5cmは足を入れた瞬間に全体がガバガバなのが分かる緩さでした。結果として27.0cmを選ぶしかないわけです。
しっかり踵を入れて靴紐の締め込みで甲がホールドできれば問題はないのですが、フーガは極端に甲高ラストですからシューレースをギチギチに締め込んだところで足はホールドできません。
これで上りの歩行はまだいいとして、下りはブーツの中で足が前に動いてしまいますからつま先が当たって痛みが出ます。
Dワイズの私でもフーガのラストは幅が狭く感じます。ボールジョイントが痛みますし、小指の側面も当たります。

ガエルネのフーガとNo.145は日本代理店のJAPEXが企画した商品でガエルネがイタリアで製造しています。日本人向けに調整したラストで作られたレザーブーツということで、実は日本以外ではラインナップされていないという特殊なモデルです。
このラストがどうも特殊過ぎると思います。足幅はけっこうタイト。そして内振りが足りないこともあって強く母指球を攻撃してきます。
甲はかなり高い。超高い。日本人は甲高幅広だといわれていますが、このブーツは平均的な日本人よりさらに甲高な足の人に向いているブーツだと思います。

初回の「フーガを履いてみた」は散々な結果になりました。これをどうやって履き込んで私の足に慣らしていくか、しばらく苦行が続きそうです。